エンディングノートを始める前に知っておきたい5つのこと

2024年8月16日

エンディングノートは、単なる備忘録や事務的な手続きのリストではありません。それは、あなたの人生を振り返り、大切な人へ想いを伝え、そしてあなた自身の未来を安心して迎えるための、心強い味方です。しかし、いざ書こうとすると「何から書けばいいの?」と戸惑う方も少なくありません。この記事では、エンディングノートを始める前に知っておきたい5つの大切な心構えをご紹介します。

1. 完璧を目指さない

最も大切なことです。エンディングノートは、一度にすべてを埋める必要はありません。「書けるところから、書けるときに書く」という気軽な気持ちで始めましょう。今日は「自分のこと」の基本情報だけ、次の週末は「ペットのこと」を、というように、少しずつ書き進めていくのが長続きのコツです。空欄があっても全く問題ありません。

2. 法的な効力はないことを理解する

エンディングノートに「財産は長男にすべて譲る」と書いても、法的な遺言書とは異なり、それ自体に法的な拘束力はありません。財産の分割など、法的な効力を持たせたい事柄については、別途、公正証書遺言などを作成する必要があります。エンディングノートは、あくまであなたの「想い」や「希望」を家族に伝えるための補足的なツールと捉えましょう。

3. ネガティブなことばかりではない

「終活」や「エンディング」という言葉から、どうしても終末期の医療や葬儀といったテーマを想像しがちですが、エンディングノートはもっと自由でポジティブなものであって構いません。「やりたいことリスト」や「自分史年表」、「家族との思い出」など、あなたの人生がどれだけ豊かであったかを記録するページもたくさんあります。未来の計画や夢を記すことで、これからの人生をより良く生きるためのきっかけにもなります。

4. 定期的に見直す

人の気持ちや状況は時間と共に変化します。一度書いたら終わりではなく、年に一度、自分の誕生日など、タイミングを決めて内容を見直すことをお勧めします。考え方が変わった部分を修正したり、新しい情報を追記したりすることで、常に「今のあなた」の状態を反映したノートにすることができます。

5. 保管場所を家族に伝えておく

せっかく書いても、いざという時に家族が見つけられなければ意味がありません。エンディングノートを書いているという事実と、その保管場所は、信頼できる家族や友人に必ず伝えておきましょう。ただし、通帳や印鑑、パスワードなどの非常に重要な情報は、ノートに直接書くのではなく、「〇〇の引き出しに別途保管」などと記し、口頭で伝えるなどの工夫をすると、より安全です。


エンディングノートは、残される家族のためだけでなく、あなた自身が安心して「今」を生きるためのものでもあります。この5つのポイントを心に留めて、ぜひあなただけの一冊を作り始めてみてください。

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