デジタル遺品とは?死後のSNSやアカウント情報を整理する「デジタル終活」のすすめ

2025年9月14日

近年、スマートフォンやパソコンの普及に伴い、「デジタル遺品」という新しい問題が注目されています。デジタル遺品とは、故人がパソコンやスマートフォン、クラウド上などに残したデータ全般を指します。これには、写真やメール、SNSアカウント、ネット銀行の口座、有料サービスの契約などが含まれます。

なぜデジタル遺品の整理が必要か?

デジタル遺品は、その存在が家族に知られていないことが多く、死後に様々な問題を引き起こす可能性があります。

  • 金銭的な問題: ネット銀行や証券、仮想通貨など、プラスの資産が見過ごされる可能性があります。逆に、サブスクリプションサービスなどの契約が解除されず、不要な支払いが続くこともあります。
  • 個人情報の漏洩: アカウントが放置されることで、第三者による不正アクセスやなりすましのリスクが高まります。
  • 家族の負担: 遺族がアカウントのIDやパスワードが分からず、故人の大切な写真や思い出のデータにアクセスできない、あるいはサービスの解約手続きができずに困ってしまうケースが増えています。

生前にできる対策「デジタル終活」

こうした問題を防ぐために、生前のうちからデジタル情報を整理しておく「デジタル終活」が重要です。

  1. デジタル資産のリストアップ:
    利用しているサービス名、ID(またはユーザー名)、メールアドレスなどをリストアップし、どこに何があるかを一覧できるようにしておきましょう。パスワードそのものを書き残すことに抵抗がある場合は、ヒントや管理方法(パスワード管理ツールの情報など)を記すだけでも手がかりになります。
  2. 情報の保管場所を決めておく:
    作成したリストは、エンディングノートに挟んだり、信頼できる家族にだけ分かる場所に保管したりするなど、保管場所を明確にしておきましょう。
  3. 不要なアカウントは解約する:
    現在利用していないサービスやSNSがあれば、整理して解約しておきましょう。

困ったときの相談先

もしもの時、遺族がデジタル遺品の整理で困った場合は、以下のような専門機関に相談することができます。

  • 国民生活センター・消費生活センター: サービスの解約など、事業者とのトラブルについて相談できます。
  • 行政書士や弁護士: 相続手続きの一環として、法的な観点からデジタル遺品の取り扱いをサポートしてくれます。
  • デジタル遺品整理の専門業者: パソコンやスマートフォンのロック解除、データの取り出しなど、技術的なサポートを提供しています。

デジタル遺品は、現代において誰にでも関わりのある問題です。元気なうちから「デジタル終活」を進めておくことで、あなたの大切な情報を守り、遺された家族の負担を減らすことができます。このエンディングノートと共に、少しずつ整理を始めてみてはいかがでしょうか。

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