デジタル遺品の整理、できていますか?
2024年8月10日
スマートフォン、PC、SNS、ネット銀行、各種サブスクリプションサービス…。私たちの生活は、今や無数のデジタルデータと繋がっています。これらは便利な一方で、私たちが亡くなった後、「デジタル遺品」として家族を悩ませる原因になりかねません。この記事では、元気なうちから始めておきたいデジタル遺品の整理について、基本的な考え方と手順を解説します。
なぜデジタル遺品の整理が必要なのか?
デジタル遺品の問題は、大きく分けて2つあります。
- 見つけられない: そもそも、どのようなサービスを利用しているのか、家族が把握できないケースがほとんどです。重要な連絡や、有料サービスの自動更新に気づけず、不要な支払いが続いてしまう可能性があります。
- アクセスできない: IDやパスワードが分からなければ、たとえ家族であってもアカウントにログインすることは非常に困難です。写真やメールといった思い出のデータを取り出したり、SNSアカウントを閉鎖したりすることができなくなってしまいます。
整理の3ステップ
完璧を目指す必要はありません。まずは以下の3ステップで、情報を整理してみましょう。
ステップ1:デジタル資産のリストアップ
まずは、自分が利用しているデジタルサービスをすべて書き出すことから始めます。エンディングノートの「デジタル遺品」のセクションを活用しましょう。
- ハードウェア: スマートフォン、PC、タブレット、外付けHDDなど
- アカウント情報:
- メール (Gmail, Outlookなど)
- SNS (Facebook, X, Instagramなど)
- 金融サービス (ネット銀行, 証券, 電子マネーなど)
- ショッピングサイト (Amazon, 楽天など)
- サブスクリプション (Netflix, Spotifyなど)
- その他 (Apple ID, Googleアカウントなど)
ステップ2:IDとパスワードの管理方法を決める
エンディングノートに直接パスワードを書き込むのは、セキュリティ上推奨されません。では、どうすれば良いのでしょうか。いくつかの方法があります。
- パスワード管理ツールを使う: 「1Password」や「Bitwarden」などのツールは、一つのマスターパスワードで多数のパスワードを安全に管理できます。家族には、そのマスターパスワードだけを伝える、という方法が考えられます。
- 信頼できる人に託す: 最も信頼できる家族などに、パスワードを記したUSBメモリや紙のメモを預け、その保管場所をエンディングノートに記す方法です。
いずれの方法でも、エンディングノートには「〇〇(ツール名)のマスターパスワードは、貸金庫の封筒の中」のように、情報へアクセスするための「手がかり」を記すのがポイントです。
ステップ3:死後の取り扱いを決めておく
リストアップした各サービスについて、自分が亡くなった後にどうしてほしいかを書き記しておきましょう。
- 残してほしいもの: 写真や動画のデータ、ブログなど
- 解約・削除してほしいもの: SNSアカウント、不要なサブスクリプションなど
- 誰かに引き継いでほしいもの: オンラインゲームのアカウントなど
あなたの希望を書き残しておくことで、家族は迷わず、安心して手続きを進めることができます。
デジタル遺品の整理は、一度にやろうとすると大変です。年に一度でも良いので、定期的にリストを見直し、更新する習慣をつけましょう。それは、残される家族への、最高の思いやりです。
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