延命治療、どう考える?家族と意思疎通するためのガイド
終末期医療における「延命治療」を望むか、望まないか。これは、誰にとっても非常に重く、難しい決断です。そして、その意思を家族に伝えておくことは、あなたの尊厳を守ると同時に、家族が将来下さなければならないかもしれない、辛い決断の負担を和らげることに繋がります。この記事では、延命治療について考え、家族と話し合うためのヒントをお伝えします。
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1. 「延命治療」の範囲を理解する
まず、一般的にどのような医療行為が「延命治療」と呼ばれるのかを知っておきましょう。これには、人工呼吸器の装着、心肺蘇生、胃ろうによる栄養補給、人工透析などが含まれます。一方で、痛みや苦痛を取り除くための「緩和ケア」は、延命治療とは区別されます。「延命は望まないが、苦痛は最大限に取り除いてほしい」という希望は、終末期医療において非常に重要な意思表示です。
2. なぜそう思うのか?自分の価値観と向き合う
「望む」「望まない」という結論だけを伝えるのではなく、「なぜ」そう思うのか、あなたの価値観や人生観を伝えておくことが大切です。「最後まで意識のある状態でいたいから」「家族に経済的な負担をかけたくないから」「少しでも長く生きて、孫の成長を見届けたいから」。あなたの背景にある想いを共有することで、家族はあなたの決断をより深く理解し、尊重することができます。
3. エンディングノートに意思を記す
考えがまとまったら、エンディングノートの「医療・介護のこと」セクションに、あなたの意思を具体的に書き記しましょう。このアプリのフォームでは、以下の項目を選択式で記録できます。
- 病名や余命の告知: 「告知してほしい」「告知しないでほしい」「家族の判断に任せる」
- 延命治療: 「可能な限り行ってほしい」「苦痛緩和を優先し、しないでほしい」「家族の判断に任せる」
選択肢だけでなく、フリーテキストの欄に、ステップ2で考えた「なぜそう思うのか」という理由を、あなた自身の言葉で書き添えておくことを強くお勧めします。
4. 家族と話し合う機会を持つ
エンディングノートに書くだけでなく、ぜひ元気なうちに家族とこのテーマについて話し合う機会を持ちましょう。重い話題ですが、あなたの口から直接想いを聞くことで、家族はあなたの真意を確かめることができます。また、家族がどう感じているかを知る良い機会にもなります。お互いの気持ちを理解し合うことが、いざという時の信頼関係に繋がります。
終末期医療に関する意思表示は、一度決めたら変えられないものではありません。考えが変わったら、その都度エンディングノートを更新し、家族にも伝え直しましょう。あなたの人生の最期を、あなたらしく、尊厳をもって迎えるための大切な準備です。